2025年7月17日木曜日

「久延彦 REPORT」(3)

 7月9日に石破首相が街頭演説で語った「なめられてたまるか」という言葉ですが、この言葉はどのように英訳されたのでしょうか。ここにも日本の国難の影を見る思いになり、何とも言えない義憤が湧き上がるとともに、底知れぬ落胆の気持ちにため息が出てしまいます。

 まず、日本政府は「なめられてたまるか」という石破首相の発言の重大さを少しは理解していたのか、何とか英訳の際にそのニュアンスをごまかそうとしました。そして、「We won't taken lightly」と訳しました。これは直訳すれば、「我々は軽く見られたくはない」という意味です。随分と意味合いが変えられていますが、ここには外務官僚の努力の跡が見えます。唯一の同盟国である米国に対する石破首相の無礼と粗相(そそう)を何とか隠そうとしたのでしょう。

2025年7月15日火曜日

「久延彦 REPORT」(2)

 7月9日、石破首相は千葉県船橋市で街頭演説し、米国との関税交渉について次のように語りました。

 「(米国との関税交渉は)国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか。私たちは言うべきことは、たとえ同盟国であっても正々堂々言わなければならない。守るべきものは守る。」

 まず、この発言については何とも言えない違和感を覚えます。「なめられてたまるか」という言葉はどういう意味なのでしょうか。そもそも米国は日本をなめているのでしょうか。今回の関税交渉について言えることは、米国は日本をなめているどころか、特別に優遇しているようにしか思えません。関税措置をめぐる日米協議の責任を担わされている赤沢亮正(りょうせい)経済再生担当相は何度も訪米していますが、何と事前に会談約束もせず訪米していたことを自ら告白しました。それにもかかわらず、米国側は会談に応じてくれているのですから、どれほど特別扱いされているかが分かります。

2025年7月13日日曜日

「久延彦 REPORT」(1)

 石破茂首相が7月2日に行われた日本記者クラブ主催の党首討論会において、外国人労働者の受け入れを巡って発言したことが大きな波紋を広げています。石破首相は外国人を受け入れる必要性について、次のように述べたのです。

 「七面倒臭(しちめんどうくさ)い日本語、日本の習慣を日本政府の負担によってでも習得してもらい、適法な人に入ってもらう。」

 これが日本国を代表する首相の発言なのか、と耳を疑いました。さすがにこの発言については多くの批判が出ていますが、立憲民主党の小沢一郎衆院議員でさえも痛烈に批判しているのです。