2025年9月7日日曜日

「久延彦 REPORT」(12)

 大東亜戦争終戦80年を迎えて、戦争に関する企画記事が多く見られましたが、その中で新聞自体が戦争をどのように報道し、どんな論説を主張してきたのか、その検証は全くありませんでした。戦争の責任について問う場合に、政治家や軍部の責任を追及することはあっても、その一方で世論に対して絶大な影響を与えてきた新聞の責任については、あえて封印してきたように思います。

 そこで、当時の新聞が戦争についていかなる報道をしてきたのか、どんな論調を張っていたのか、その一部をご紹介します。例えば、1931年に勃発した満州事変当時、多くの新聞が軍部の行動を積極的に応援しており、時には軍部以上に戦争を強力に後押しする論陣を張っていたことを忘れてはならないのです。その急先鋒が朝日新聞であり、毎日新聞でした。

2025年8月24日日曜日

「久延彦 REPORT」(11)

 「断乎(だんこ)反撃に転じ、ソ連軍を撃滅すべし。」

 1945年8月18日、ソ連軍は千島列島最北の占守(しゅむしゅ)島に数千の兵士を強襲上陸させてきました。この知らせを聞いた第5方面軍司令官であった樋口季一郎中将は、自衛のための戦闘として、ソ連軍を撃滅せよと命じます。この決断により、ソ連軍による北海道占領の野望は阻止されることになりました。つまり、占守島の戦いがあったからこそ、北海道は守られたのです。

 しかし、この歴史の真実をどれだけの日本人が知っているのでしょうか。千島列島を足掛かりとして、北海道までも占領しようとしていたのが、共産主義国家・ソ連であったことを私たちは決して忘れてはならないのです。しかも、ソ連軍が侵攻してきたのは、日本がすでにポツダム宣言を受諾した後の8月18日でした。共産主義国家にとっては国際条約や国際法などは何の価値もなく、ただの紙切れに過ぎないのです。

2025年8月20日水曜日

「久延彦 REPORT」(10)

  大東亜戦争終戦80年を迎え、8月15日の「終戦の日」に、念願かなって靖国神社に参拝することができました。靖国神社の境内に入って直ぐに感じたことは、「ここに真の日本がある」という実感でした。第一鳥居で一礼し、さらに進んで行くと、そこかしこに美しい日本の国旗がたなびいていました。

 白地に赤く 日の丸染めて ああ美しや 日本の旗は

 夏の青空に映えて、日の丸が掲げられ、風にたなびく美しさは格別なものでした。美しい日本の旗が、誰にもはばかることなく掲げられ、誇らしくたなびいている、まさに靖国の社において日本の国旗が生命の息吹を取り戻しているように感じました。

2025年8月7日木曜日

「久延彦 REPORT」(9)

  大東亜戦争終結80年の節目となる今年も、8月6日には広島市の平和記念公園において、原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)が開催されました。式典には過去最多の120ヵ国・地域と欧州連合の代表が参加しました。約5万5千人の参列者は原爆投下時刻の午前8時15分に会場内外で黙祷を捧げました。


 今年の式典には、イスラエルの駐日大使やパレスチナ自治政府の代表も参加しました。また、台湾当局の代表者が初めて参列したことはとても意義深いものでした。しかし、中国共産党政府からは今年も参列者はありませんでした。この事実だけを踏まえても、どこの国が核兵器による威嚇(いかく)と使用に積極的であり、どこの国が平和に対する敵対国であるかが明白になります。

2025年8月4日月曜日

「久延彦 REPORT」(8)

 日米の関税交渉についてですが、私たち日本人が忘れていることがあるように思えて仕方ありません。はっきり言いますが、もし安倍晋三元首相が御存命であり、さらに今頃、第三次安倍晋三政権が誕生していたならば、トランプ大統領との関税交渉は、とっくに解決していたであろうということです。そして、関税率も15%どころではなく、もっと低率で最終合意していたに違いないということです。

 2019年の日米貿易交渉の結末を知っている人であるならば、今のような石破政権下における日米間の懸案など何ひとつ存在しなかったことが理解できるはずです。安倍首相とトランプ大統領によって日米関係は今なお蜜月であり、日米両国のみならず、世界中の国々にとってどれほど希望的な時代を迎えていたことでしょうか。

2025年8月1日金曜日

「久延彦 REPORT」(7)

 7月20日の参議院選挙で歴史的な惨敗をした自民党ですが、石破首相は責任を取ることなく、居座りを続けています。今なお首相続投の意思は変わらないようですが、かつて石破首相自身が「首相の責任」について、どのような発言をしていたのか、ご紹介しておきたいと思います。

 2007年(平成19年)7月の参議院選挙で自民党が大敗した時、当時の安倍晋三首相に対して、石破氏は「安倍続投」に強い異議を唱えて、次のような発言をしていました。

 「責任を取るべき人が取らないのは組織ではない。その責任を追及する声が上がらない組織は病んでいる。このまま追及する声がないようなら、そんな党は存在意義がない。」

2025年7月29日火曜日

「久延彦 REPORT」(6)

 7月29日は何の日か、ご存知でしょうか。1937年(昭和12年)7月29日に起きたある事件について、大東亜戦争終結から80年の節目である今だからこそ、私たち日本人は思い起こさなければならないと思います。この事件は「通州事件(つうしゅうじけん)」と呼ばれるものです。

 1937年7月29日、中国の通州という町に居住する日本人や朝鮮人が惨殺される事件が起きたのです。その被害は、日本人と朝鮮人の居留民225名と日本軍守備隊32名のあわせて257名にも上り、通州虐殺事件とも呼ばれています。女性や子供も関係なく、日本人と分かれば、見境なく惨殺されました。その残虐さについて、当時中国を取材していた米国人ジャーナリストは次のように伝えています。

2025年7月25日金曜日

「久延彦 REPORT」(5)

 7月23日付で在中国日本国大使館より、在中国邦人に向けて一つの公文が出されているのをご存知でしょうか。それは「『中国人民抗日戦争及び世界ファシズム戦争勝利80周年』記念に当たっての各種行事やイベント等に関する注意喚起」という文章なのですが、その内容は実に不可解なものであり、これが日本国大使館から出た公文であることに、深い悲しみを感じてしまうのです。以下がその内容です。

 「中国人民抗日戦争及び世界ファシズム戦争勝利80周年」記念に当たっての各種行事やイベント等に関する注意喚起

2025年7月23日水曜日

「久延彦 REPORT」(4)

 中国の女性教師が日本の侵略について感情を高ぶらせ、学生たちを怒鳴りつけている動画が話題になっています。事の発端は、ある授業で行われた一つの質問に対する学生の答えでした。女性教師が授業の中で「帝国」という言葉について質問したところ、一人の学生が「大日本帝国」と答えたのです。

 すると、この言葉を聞いた女性教師は突然、感情的になって怒りをあらわにしたのです。女性教師の突然の激変ぶりに、思わず失笑した学生に対して、この教師は教壇を激しく叩きながら、次のように声を張り上げました。

2025年7月17日木曜日

「久延彦 REPORT」(3)

 7月9日に石破首相が街頭演説で語った「なめられてたまるか」という言葉ですが、この言葉はどのように英訳されたのでしょうか。ここにも日本の国難の影を見る思いになり、何とも言えない義憤が湧き上がるとともに、底知れぬ落胆の気持ちにため息が出てしまいます。

 まず、日本政府は「なめられてたまるか」という石破首相の発言の重大さを少しは理解していたのか、何とか英訳の際にそのニュアンスをごまかそうとしました。そして、「We won't taken lightly」と訳しました。これは直訳すれば、「我々は軽く見られたくはない」という意味です。随分と意味合いが変えられていますが、ここには外務官僚の努力の跡が見えます。唯一の同盟国である米国に対する石破首相の無礼と粗相(そそう)を何とか隠そうとしたのでしょう。

2025年7月15日火曜日

「久延彦 REPORT」(2)

 7月9日、石破首相は千葉県船橋市で街頭演説し、米国との関税交渉について次のように語りました。

 「(米国との関税交渉は)国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか。私たちは言うべきことは、たとえ同盟国であっても正々堂々言わなければならない。守るべきものは守る。」

 まず、この発言については何とも言えない違和感を覚えます。「なめられてたまるか」という言葉はどういう意味なのでしょうか。そもそも米国は日本をなめているのでしょうか。今回の関税交渉について言えることは、米国は日本をなめているどころか、特別に優遇しているようにしか思えません。関税措置をめぐる日米協議の責任を担わされている赤沢亮正(りょうせい)経済再生担当相は何度も訪米していますが、何と事前に会談約束もせず訪米していたことを自ら告白しました。それにもかかわらず、米国側は会談に応じてくれているのですから、どれほど特別扱いされているかが分かります。

2025年7月13日日曜日

「久延彦 REPORT」(1)

 石破茂首相が7月2日に行われた日本記者クラブ主催の党首討論会において、外国人労働者の受け入れを巡って発言したことが大きな波紋を広げています。石破首相は外国人を受け入れる必要性について、次のように述べたのです。

 「七面倒臭(しちめんどうくさ)い日本語、日本の習慣を日本政府の負担によってでも習得してもらい、適法な人に入ってもらう。」

 これが日本国を代表する首相の発言なのか、と耳を疑いました。さすがにこの発言については多くの批判が出ていますが、立憲民主党の小沢一郎衆院議員でさえも痛烈に批判しているのです。