2025年7月25日金曜日

「久延彦 REPORT」(5)

 7月23日付で在中国日本国大使館より、在中国邦人に向けて一つの公文が出されているのをご存知でしょうか。それは「『中国人民抗日戦争及び世界ファシズム戦争勝利80周年』記念に当たっての各種行事やイベント等に関する注意喚起」という文章なのですが、その内容は実に不可解なものであり、これが日本国大使館から出た公文であることに、深い悲しみを感じてしまうのです。以下がその内容です。

 「中国人民抗日戦争及び世界ファシズム戦争勝利80周年」記念に当たっての各種行事やイベント等に関する注意喚起

 中国政府は今年を「中国人民抗日戦争及び世界ファシズム戦争勝利80周年」の記念の年としています。中国国内では、今夏7月から9月にかけて、抗日関係の映画及びドラマの放映、軍事パレード等、過去の日中間の歴史に関わる各種行事やイベントが実施されるため、反日感情の高まりに特に注意する必要があります。

 また、外出の際には不審者の接近等、周囲の状況にくれぐれも留意し、安全確保に努めるとともに、複数人で行動するなど外出する際は、特にお子様連れの場合には十分に対策を取るようにしてください。とりわけ、以下のような点にご留意いただくようお願いします。

 ・現地の習慣を尊重し、現地の方と接する際には言動や態度に注意する。
 ・外で周囲に聞こえるような声量で日本語を話すこと等は極力控えるとともに、日本人同
  士で、集団で騒ぐ等の目立った行為は避ける。

 中国国内で抗日・反日関係の映画やドラマが放映されるというのは事実であり、そのほとんどは虚偽と捏造の反日プロパガンダ映画であり、ドラマなのです。その中でも、深刻であると思われているのが、大東亜戦争終結80念の節目に当たり、制作され、上映されることになった反日映画なのですが、その内容があまりにも酷(ひど)いため、中国在住の邦人に対して何らかの危害が及ぶ恐れがあるというのです。

 たとえば、現在上映されている南京事件を題材にした『南京写真館』(7月25日公開)では、こんな話が伝わっています。映画を観終わった後で、一人の母親が娘に「日本人全員殺したい?」と尋ねると、娘は泣きながら「うん」と答えたというのです。まさに、憎悪と復讐心を煽り、反日感情を幼い時から心に植え付けるようなことをしているのです。

 また、9月から上映予定の映画『731』では、帝国陸軍に存在していた研究機関であり、通称731部隊と呼ばれていた「関東軍防疫給水部」によって行われたとされる残虐行為が余りにも過激な映像で描写されています。すでに予告編の映像に対してもその過激さが問題視されているのですが、この映画が中国全土で上映されることになったら、どのような結果がもたらされるのでしょうか。

 それにしても、在中国日本大使館より日本人に迫る身の危険に関して、中国政府に厳重な申し入れをするのではなく、反対に日本人に対して言動や態度には注意するようにと勧告し、さらに自分の生命は自らで守るように安全確保に努めるよう忠告するとは、一体どういうことなのでしょうか。日本大使館は日本人の生命よりも、中国人の反日感情や抗日的態度の方が尊重されるべきだと思っているのでしょうか。守られるべきは日本人の生命と財産であって、中国人民の歪んだ愛国心や偏向した反日歴史観ではないはずです。

 今年は大東亜戦争終結80年という節目の年なのですが、そろそろ私たち日本人は、勇気をもって歴史の真実に目を向けなければなりません。その真実は中国共産党にとっては余りにも不都合な真実です。しかし、その真実は中国人民を共産党による愛国教育の洗脳から救うための福音なのです。歴史の真実を語ることで中国との関係が一時的に悪化としたとしても、このまま中国との関係にばかり気を取られて、私たちの祖国である日本の歴史を忘れてしまうとすれば、それこそ真の亡国であると思うのです。戦争に敗れたことで国は滅びるのではありません。歴史の真実を忘れてしまった時、国は滅びるのです。