7月9日、石破首相は千葉県船橋市で街頭演説し、米国との関税交渉について次のように語りました。
「(米国との関税交渉は)国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか。私たちは言うべきことは、たとえ同盟国であっても正々堂々言わなければならない。守るべきものは守る。」
まず、この発言については何とも言えない違和感を覚えます。「なめられてたまるか」という言葉はどういう意味なのでしょうか。そもそも米国は日本をなめているのでしょうか。今回の関税交渉について言えることは、米国は日本をなめているどころか、特別に優遇しているようにしか思えません。関税措置をめぐる日米協議の責任を担わされている赤沢亮正(りょうせい)経済再生担当相は何度も訪米していますが、何と事前に会談約束もせず訪米していたことを自ら告白しました。それにもかかわらず、米国側は会談に応じてくれているのですから、どれほど特別扱いされているかが分かります。
では、どうして米国は日本に対してこれほどまでに辛抱強く、他国に比べて優遇するような態度で臨んでくれているのでしょうか。それははっきりしています。すべては安倍元首相のお陰なのです。トランプ大統領が最も大切にしている政治信念、それは愛国心です。自国を愛する心のない首脳に対しては、全く信頼を置かないというのがトランプ大統領の政治信念の核心なのです。
恐らく、トランプ大統領は石破首相との最初の首脳会談において、すべてを見抜いたのでしょう。石破首相が愛国者ではなく、国家国民のことを第一としていない陳腐(ちんぷ)な政治家であることを達観したのです。そして、そのことを暗にほのめかすために、安倍元首相との思い出話を聞かせ、特有のアメリカンジョークで石破首相に賛辞を送ったのですが、実は、このようなトランプ大統領の温かい配慮と心遣いさえまったく石破首相の心には届かなかったのです。そして、このように人の気持ちを理解することができず、全く独りよがりの偽善者であることを知ったトランプ大統領は、いまさらながらに安倍元首相から聞かされていた石破茂という政治家についての言葉を思い起こしたのではないでしょうか。「絶対に首相にしてはいけない政治家」、そして、「安倍元首相の政敵(The enemy of Abe)」、これが石破茂という政治家の正体だったのです。
にもかかわらず、石破首相は選挙遊説中に「なめられてたまるか」と、日本の唯一の同盟国である米国に対して喧嘩を売ったのです。もはや石破首相という存在こそが、戦後日本の最大の国難となってしまいました。同じ日本国民として何とも恥ずかしい限りであり、心からトランプ大統領と米国国民に石破首相の無礼をお詫びしたいと思います。